「HPVワクチンは不活化したタンパクの集合体、副反応は起こり得ない」HPVワクチン“薬害”訴訟でヒトパピローマウイルス専門家が証言、傍聴席には不随意運動を起こす原告女性も
原告支援者の集合時間となっていた午前10時、名古屋地裁前へ行くと、原告弁護団からの説明はなく原告団の入廷行動のみが行われた。

入廷する原告弁護団と支援者(名古屋地裁前)
一般傍聴は60席、抽選に並んだのは20数人だったため全員が傍聴できた。
この日は被告製薬会社側の専門家証人への原告代理人による反対尋問が行われる。証人はHPV(ヒトパピローマウイルス)研究の第一人者、金沢医科大学の笹川寿之教授。産科婦人科の研究者・臨床医で婦人科がん免疫療法などを研究。
昨年11月に主尋問期日
昨年11月25日には、同じ名古屋地裁で笹川氏への製薬会社代理人による主尋問が行われた。
参考までに、2024年11月25日の名古屋地裁での笹川氏へのMSD代理人の弘中聡浩弁護士による主尋問の内容、そして製薬会社2社と原告弁護団の会見の内容を先に記す。(傍聴メモから抜粋)。
・笹川氏はHPVに関する「世界のオピニオンリーダー」で昨年ワシントンDCにおいて開催された『国際パピローマウイルス学会』で共同議長を務めた。
「HPVワクチンを問題視している国はどこにもない」
・産婦人科医としてこれまで多くの子宮頸がんで亡くなった患者の臨床に関わった経験から、HPVワクチンの重要性に言及、「子宮頸癌を考える市民の会」の理事長としてシンポジウムを開いてきた
・笹川氏はHPVについて「単なるタンパクの集合体。内部に遺伝子が入っていない安全なウイルス。副反応は起こり得ないと当初から思っていた」と証言。スコットランド、スウェーデン、イギリスデンマーク、オーストラリアなど世界各国の国民的な調査・研究データ、日本でのコホート研究も含め有効性は立証されており若い世代に打った方が効果が高く、集団予防効果もあると言及
・HANS論者の西岡久寿樹医師の「月経異常が多いからHANS」について「これこそ、ナンセンス。HANSに挙げていることが異常」と指摘 ・積極的勧奨の差し控えをした日本における対応については「最初の対応、メディアの騒ぎ、厚労省が自信無かった」と指摘、本来ワクチンで防げた2.5万人が発症し5千人が亡くなるとの論文を紹介
・原告が免疫吸着療法などを受けていることについて「私の話を真摯に聴けば、気の毒だがHPVは関係ないだろうだろうというのが結論。もっと正しい治療があったのに、原告の医師や弁護士の被害者ではないかと感じている」
★主尋問後の会見(司法記者クラブ)
GSK代理人の会見
山田弁護士「笹川先生はHPVの研究に数十年関わり専門的な知見に基づき証言していただいた。原告側は『検診をしっかりやれば子宮頸がんは予防できるのでHPVワクチンの必要性は低い』と主張しているが、笹川先生は「検診は大事だが検診だけでは十分に予防できない、検診受診率が低く見落としがある」と証言。(HPVワクチンに関する副反応の問題について)世界の学会ではそういう議論すら出ず、日本の状況が世界とかけ離れているか話された」
質疑応答
鈴木エイト
――HPVワクチンの有効性に関する原告側の専門家証人がいないことについて。
山田真吾弁護士「原告が産婦人科医を証人として出していないので、有効性に関して産婦人科医で効果がないとか止めるべきだと言っている人はほぼいないのだろう」
池田裕彦弁護士「いろんな産婦人科医に話を伺ったが子宮頸がんはマザーキラーと言われて若い女性が亡くなるという本当に悲惨で、日本でだけこのワクチンが打たれていないということに危機感を持っておられた」
鈴木エイト
――このワクチンに反対している産婦人科医はいないと?
池田弁護士「中にはものすごく変わった人がいるかもしれないが、99.9%の産婦人科医がこのワクチンを支持されている」
鈴木エイト
――笹川氏の「原告の医師や弁護士の被害者ではないか」との発言、医師が医師を批判することはこれまでの専門家証人の本人尋問の中であったが、原告代理人に言及したことについて。
山田弁護士「副反応ということに捉われるとなかなか回復に至らないと専門家の先生に聞いていて、今回の裁判に関わり続けていると治るチャンスがないんだとお考えになってそう仰ったのではないかと聴いていて思った」
MSD代理人の会見
弘中弁護士「笹川先生はHPVワクチン開発の研究に携わり、HPV、及びHPVワクチンの研究を続け、臨床現場で子宮頸がん患者を診てきた産婦人科医の立場から、原告らの主張が医学の立場から誤りであり、検診さえ行えば子宮頸がんに充分に対応できるという主張が医学の立場からまったく根拠がないと説明された。様々なワクチンの中でもHPVワクチンは安全性と有効性が極めて優れたワクチンだということだった」
質疑応答
鈴木エイト
――笹川氏の「原告の医師や弁護士の被害者ではないか」との発言、医師が医師を批判することはこれまでの専門家証人の本人尋問の中であったが、原告代理人に言及したことについて
弘中弁護士「笹川先生個人の考えなので私が何か申し上げることではないが、仰りたいこととして私が理解したのは原告側の医師が『これがHANSでHPVワクチンと関係があるために多様な症状に苦しんでいる』という診断をされてそのために正しい治療を受ける機会を失っているという意味で、原告側の医師やそれをサポートしている代理人に対しての憤りだと理解している」
鈴木エイト
――原告代理人が訴訟上の因果関係の立証は自然科学的証明ではなく蓋然性を証明する法的因果関係の立証で足りるということを東大ルンバール事件の最高裁判例を基に主張していることについて
弘中弁護士「そこは原告と被告は主張を尽くしていて、原告側の主張は法的な因果関係と科学的な因果関係は必ずしも同一ではないと強調している。東大イルンバール事件は昭和51年の事件、我々被告の立場としては現在令和6年の時代の医学水準は当時の東大ルンバール事件当時の医学水準とまったく違っているわけで、今回のように医学的な問題といっても世界的に確立されている問題を取り扱っている事件において裁判所が法の判断と医学の判断が違うと判断することはあり得ないと思っている。」
原告弁護団の会見
質疑応答
鈴木エイト
――笹川氏の「原告の医師や弁護士の被害者ではないか」との発言、医師が医師を批判することはこれまでの専門家証人の本人尋問の中であったが、原告代理人に言及したことについての見解は?
名古屋弁護団堀康司代表「そこを含めて反対尋問の内容にはなってくると思うので今日の段階では何とも申し上げられないが、ひと言申し上げたいのは原告の医師あるいは弁護士に対する攻撃のようなご発言だと思うのですが、それは結局この訴訟をしている原告本人に対する攻撃的発言であるという風に我々は捉えていますし、多分原告さんたちはそう思っているんだろうと。要するに代理人攻撃のような形を採っているけれどもその発言というのは結局、原告を攻撃するものになっていると樸は思っているので、そういったことも踏まえながら今後、どういった反対尋問をするのか2月27日、聴いていただきたいと思う」
中日新聞記者
――反対尋問において、HPVワクチンの有効性に関しては無効という話になるのか、有効性はある程度認めた上でこういう副反応に苦しんでいる人がいるという主旨なのか?
堀弁護士「ワクチンの有効性に関しては基本的にそれを示す証拠はないと主張をこれまでしてきているので当然、その視点からの反対尋問になると思う」
ここまでが前回、笹川教授への主尋問である。
原告代理人による反対尋問
ここからは2025年2月27日に行われた笹川教授への原告弁護団による反対尋問を記す。
特別傍聴券は計14枚。原告17席、MSD2席、GSK1席、国が1席という配分。中央の一般傍聴席、最前列は司法記者席のため2列目に座る。左側に設けられた原告の特別傍聴席の最前列には原告の女性と母親。
反対尋問が始まる。鍵括弧は笹川証人の発言部分である。傍聴メモから一部を抜粋したもののため、聴き取れない箇所や間違いがあるかもしれない。意味が不明な箇所も多々あるがご容赦いただきたい。
質問を行う原告代理人、1人目は大西弁護士。
・笹川氏の講演での発言を抽出し、40~50代のがん予防データが出ていないことを確認
「データ出ていないのはエビデンス」
・2024年のがん統計から抜粋。子宮頸がんの年代別発生率が40~50代、60代70代と増加していることの認識について
「認識?がんですから、高齢者に多いのは常識だと思う」
・欧米各国の研究で30歳以下のデータしかなく、30歳以上のデータがないことを指摘
「ワクチンを打った年齢から当然のこと」
・子宮頸がん発生とピークが30代前半から40代、日本のがんの統計24‘では25歳まで30歳まで、30代が多いとは言えない
「当然ながら、若い人ががんになるリスクは低いので」
・4価ワクチンの長期的な有効性について、主尋問で〝12年確実14年間は持続する傾向〟
MSD代理人の一場弁護士「誤導です」
原告代理人「撤回します」
・4価ワクチンで16型18型の研究、子宮頸がんが有為に減少したデータは示されていませんね?
「前がん病変ですね」
・2価ワクチンの〝20年もつだろう〟との論文情報15年以上前のもの? 2価ワクチンを20年追跡していませんね? 20年後に想定通りの抗体価、出ていないですよね?
「アブストラクトにそう書いてある」「同じグループが子宮頸がんを予防できる研究」
・2価ワクチン、4価ワクチンとも長期的な有効性、30年とか生涯持続する評価のデータないですよね?
「データがないというより、抗体化は一つの指標に過ぎない。いつまで高く維持できるかより前がん病変がどれだけ減ったかが重要。そこまで調べる意味ない。日本ではそこまでデータが出ていない」
・証人が共著者の論文。子宮頸がんが有為に減少するデータない
「日本ではそこまでデータが出ていない。癌は入っていない」
・HPV16型,18型 統計的有意差は? 34~39歳比較
「統計数、解析は症例数が少ないと有意差が出ないから書いていないだけ」
「当然の話、34~39歳はHPVワクチン接種していないから当然の結果」
・日本医療研究企機構、新潟の報告。年齢補正の結果、有意差ない?
「トリッキーな質問。年齢補正一番上、有意差出ている。切り取られて言われても、語弊のある論文。有効性を否定するものではない」
・処方前は、公費助成
「定期接種者とほぼイコール」「倫理上聞けない」
・共著者論文。20代女性のHPV型の占める割合。浸潤性子宮頸がんが占める割合い。比較
「ガン世代別調べ、でも一つが複数」「この研究では一つに」「16型18型なら」「20代の子宮頸がん自体が少ない、限界ある」
・タイプ・リプレイスメント起こっていない。タイプ・リプレイスメント~によるのが機序
「タイプ・リプレイスメント起こったら他のタイプの病変増えたか、多くなるのは当然のこと、リスクの多いウイルスを排除した場合、それ以外の原因がクロースアップされるのは当然のこと」
・コスタリカ試験、HPVワクチン接種で子宮頸がん、ワクチンで予防できないタイプの頸がんが増えた。臨床的アンマスキング、予防できない病気のリスクが高くなる。
「読み違えではないか? ワクチン接種後の研究。HPVワクチン予防できなかったものがすり抜けてがん化、それがアンマスキング。HPVワクチンの意味はないとは結論で書いていない」
・著者がリスクを指摘しているのはわかりますか?
「リスクが減ったら他のリスクが増えるのは驚くべきことではない」
・UCC群と接種。予防不可能。発生率有為に高く。予防不可能な型による~
「非常に誤解生む文面。〝予防不可能な型〟に16型18型を除くタイプ・リプレイスメントと同じ考えのCNN2CNN3のこと、前がん病変、少なくとも癌が増えてくる事はあり得る」
・CI3もマイナス。対照群と比較してワクチンの有効性をマイナスと書いている
「誤解生む論文 子宮頸がん予防100%とは言っていない。WHOも子宮頸がんになるリスクの高い16型18型を予防し、他の型は検診」
・16型18型31型33型45型を除く発生率が統計上有為に高い
「繰り返しになるが、最も悪いものが排除できたらそれ以外の者が増えるのは統計的にあり得ること」
・2024年9月のオランダの研究読みましたか?
「覚えない」「先ほどのコスタリカの研究ですね」
原告代理人の2人目は小出弁護士。
・HPVワクチンは頸がん以外にも有効。他のがんについて添付文書。ガーダシルの効能効果に記載なし
「こういうのを見るとそう思うのかもしれないが、こういうことの結果、頸がんになる」
「我々医療者はガンを予防できると捉える」
・肛門がんについてよろしいでしょうか?
GSK代理人から「異議あり!」「同意見か?こう記載があるか?のどちらか明確にして質問を」
・肛門腺がん確認されていない
「これについても 肛門腺がんは稀な疾患」
「当然予防効果あると見る」
・国立感染症研究所のファクトシート。陰茎癌、膣がん、年齢調整罹患率、認識はこの程度?
「耳鼻科は専門外だが、HPV検査が一般化されているという誤解。他の○○もHPVタイピングしていないので予防効果が出ていないのはそういうこと」
・尖圭コンジローマ、JORRPは10万人当たり0.02人、がん化は稀では?
「病気のことを知らない人はそう言うが、JORRPはがん化多くなく、軌道にイボ、重症発見、呼吸器、再発、難難治性疾患、予防、子宮頸がんHPVワクチンの付加価値として引用、メリット述べたに過ぎない」
午前終了、休廷。
体調悪化の原告も
原告の女性は体調が悪化したのか、両脇を抱えられ傍聴席から法廷外へ
午後
傍聴席最前列、司法記者席の左端が一般傍聴席として開放されたので、移動する。体調悪化の原告女性も特別傍聴席に戻っている。
2人目の原告代理人は杉山弁護士。
『HPVワクチンがなくても子宮頸がんは薬物治療や円錐切除術で防御可能』との趣旨で質問を行う。
・主尋問調書から、手術しないで治す、前がん病変の薬物療法について。笹川証人が書いた文献は薬物療法、患者に治療成績、CIN2まで100%薬物療法で治癒?
「そう書いた」
・薬物治療で8割、円錐切除術で2割、完全に治ったと? 結果、実施後の妊娠、出産に薬物療法は影響ない?
「1例、35週で早産のみ。それ以外なし」
・CIN(前がん病変)に対する有効な治療に?
「おそらく今後の大規模スタディしないと結論出ない」
・薬物以外のCIN治療法について。日本では年間1万5千人が円錐切除術を受け、全ての年齢の合計人数は○○?
「多分そう」
・CIN円錐切除術には他の治療もありますね?
「はい」
・主尋問調書25ページに 前がん病変は円錐切除術で9割が1回で治ると?
「そう認識しています」
体調の悪そうな原告が不随意運動を起こし、法廷と傍聴席を隔てる柵に足が当たるゴツッという音が響く。
・子宮頸がん検診について。主尋問調書若い世代の検診率が上がらない
「疫学調査、参考に言った」
・教育、講演動画の反訳。HPV検査率 〝女性にとって敷居高い、5年に1回なら非常に意味ある〟事実か?
「記憶ある」
・証人の意見書で、検診受診率上げるための証人の考えがある
「個人的意見です。希望していること」
検診の重要性を笹川証人が示していることを指摘する原告代理人。
・イギリスでは子宮頸がん検診罹患率も死亡率も下がった
「はい」
・アメリカでは 成人女性の検診受診率が向上したことで75%減少?
「州によって違う。どのデータか、はっきりしない」
・HPV検査、単独検診について。証人が書いたもの、CIN3以上の以上検出 感度は90%以上。証人作成意見書、細胞診、HPV検査、特異度が少し低くなる。CNI浸潤が若い女性に少ないから?
「そういうことだと思う」
・証人の意見書では〝特異度の低さからHPV検査は検診に向かないという人が多い〟と?
「そう書いた」
・HPV検査の感度は費用対効果が欧州では日本より先にHPV検査単独で行われている。講演会の反訳部分。石川県のデータ、罹患率が少ない。島根県ではHPV検査を積極的に導入。検査導入して減ってきている。HPV検査によって子宮頸がん罹患室が減っている県があると?
「証明されていない」
・2023年厚労省検査をすれば罹患率が下がると言える?
「私の希望。現実はそう進んでいない」
・HPV検査単独の女性 30歳未満の女性にも検査すれば減らせる?
「個人としては」
原告代理人、3人目は藤田弁護士
・死亡率とワクチンの関係について
・笹川証人の意見書。〝もっと深刻、若い女性で最近10年死亡者減少。HPVワクチンの接種率が高かったころの効力がHPVワクチンの効果で表われている〟と
「確かにそのように書いてますが、本当に減っているか疫学的研究は出ていないし言い過ぎたかも」
「ガンになる先例に到達していない、現時点ではワクチンが有効という証拠ではないかなと」
体調の悪い原告は照明が眩しいのか顔にハンカチを乗せて上を向いて固まっている。
・2021年からの20~30代の子宮頸がんで亡くなった人のデータ。2023年の国立がんセンターのファクトシート。HPVワクチンの接種スケジュール 公費助成1994年生まれ~1998年生まれの接種世代、生まれ年ごとのHPVワクチン接種率、1994年生まれは2022年では30代に達していない
「達していないが、20代後半に。質問の趣旨が判ってきた。そういうことより私が問題視しているのは、日本での罹患率と死亡率。2000年以降、罹患率が激増し、死亡率も日本だけ微増している。そんな質問の枝葉の問題より、この図を出してくれてありがとう。日本でHPVワクチンをしなければならない理由。私が書いたことに文句を言って、原告代理人が言っている筋違いの指摘。これはワクチンの効果と言い切るのも疑問。世界中で30代20代後半まで効果が出ている。世界では減っている。ここに注目してほしい」
「子宮頸がんの啓発活動」
「検診受診率、ワクチンだけの○○で死亡率が下がったとは言っていない」
笹川証人は逆に原告が示した図から解説を始める。
・意見書に罹患死亡率
「計算上そうなるが、逆に30歳までにこんなに人が亡くなっている。これがHPVワクチンで予防できる。これを問題視する方が問題。私の少さな を問題にされることより30代では打ってないから20代に脂肪率を下げるだけでインパクト。20代30代でガンでなくなるとも思えない。癌が予防できる。あなたも女性なら考えてものを言ってほしい」
原告代理人はHPVワクチン接種率の高い時期を確認。
・20代30代の死亡率票 20代30代どちらが一般に子宮頸がん死亡者多い?
「ハッキリとしたデータないが、30代の方が多いと思う」
・2021年。〇別ガン死亡率。笹川証人の意見書では、前年からのがん減少率、一番高かった、子宮頸部
「計算上そうなるが、逆に30歳までにこんなに人が亡くなっている。これがHPVワクチンで予防できる。これを問題視する方が問題。私の小さな〇〇を問題視することより、」
・ワクチンの接種とは関係ないのでは?
「このデータを出してくれてありがとうございます。30代では打ってないからだけで20代の死亡率下げる」
「20代30代でガンで亡くなるとは思わない。あなたも女性なら(子宮がんが予防できると)考えてものを言ってほしい」
・HPVワクチン接種率が高かったころ? 緊急促進事業は2010年11月26日以降。笹川証人の意見書では〝HPVワクチン接種率から10年以上、10~20年かかる〟と言っている
「多分そう言っている。HPVはタイプによって違う。16型18型はもっと早くがん化する。30代20代はほとんど16型と18型」
・10~20年かかるんですよね?
「HPVワクチンで予防できないタイプ」「一般論として」
浸・潤がん、すぐ死亡でない。感染からがん。さらに長くなりますね?
「若年頸がんはタイプが違う。16型18型、それを予防するワクチン」
・死亡するのは浸潤ガンになってからですよね?
「浸潤ガンになってから1年以内に亡くなる方がいる。そういうことを考えてほしい」
・短期間に…
「世界中でこの年代は死亡数罹患数減った。反対しなければもっと大きな効果が出たはず。それを知ってほしい」
・子宮頸がんにはHPV感染とは別の要因 『成功経験率』『喫煙率煙草』もう一つ『コンドーム使用率』
「若年頸がんは喫煙の影響ない」
・性交経験率の推移、1974年から調査。若年者の性行動の不活発化横ばい。若年者の性行動の低下も減少と考えられる?
「性交率減ったからHPVワクチンが○○のデータない。推測に過ぎない。それこそ私の意見よりももっと想像のレベル」
休憩を挟んで、原告代理人は木下弁護士
・死亡率の原料と罹患率の減少について
・オヌキらの論文〝20~29歳女性の子宮頸がんが減っている〟と言っている。
1975年から2015年 がん発生率全国データ 20~29歳浸潤性がん、低下 2011年以降、低下傾向 全体で低下より25歳以上で○○と考えられるのでは?
「同じく、否定しない」
・子宮頸がんが減っていることの関連、有効性について他の理由ではないか?
「すでに世界中でデータ取れている。先だって勇み足、ワクチンの効果と言ってきたが、それとワクチンの効果が怪しいというのは誇張だと思う」
・接種世代がほぼ含まれない世代の罹患率が下がっているのはHPVワクチン以外の理由が考えられないか?
「確かに○○。HPVワクチンの影響とは言えない」
・生活習慣因子、性交渉経験率因子、〝推測レベル〟と言っているが若年性交経験率の減少が…
「検診の効果?」「それは読み違え、お間違えコメントでは?」
6番目の原告代理人は大辻弁護士。
対象疾病の症状以外の他のワクチンの副反があることを示す。
・副反応について。証人は〝ほとんどが対象疾病の感染症に起因するもの〟とするが、B型肝炎や多発性硬化症の事例を提示
「専門外なので」
GSK代理人池田弁護士から異議が入る。
「主尋問と関連ない」
原告代理人は「定期接種化されているワクチンについて訊いている」
・疑われませんか?
「それはHPVワクチンと関係ない話。それを取り上げられてもコメントしようがない」
・意見書で〝定期接種への関与否定できない。それぞれの感染症がもたらす、起因するもの〟
「多い、稀な副反応まで取り出したらキリがない」
・HPVワクチン接種後、CPPS 、POTS、思春期ダブる、紛れ込みCPPS が思春期に集中していると?
「POTSは思春期 CPPS は自信ない CRPSが思春期に多いと言い切ったつもりないが」
・ワクチン後の副反応との因果関係は? 時間の経過
「基本的に私の意見。カナダ、2週間以内、ギランバレーなどまれに90日」
「ワクチンは異物。異物であるたんぱく質が人の身体に入って何か月も留まることはない。ナンセンス」
・不活化ワクチンは1か月以上体内に留まることはあり得る
「抗原がないのに副反応や免疫応答がない」
・一般論では?
「ゼロではない、当初はHPVワクチンも起こり得るとして書かれた。勘違いしないで。抗原もないのに起こり得ない。(HANS論者が言う」多様な症状の実態が全く見えない。どんな順序でHANSという科学とはかけ離れた○○示されても。症状報告、どんな人が? 納得できない」
・一旦入ると自己免疫が起こるのでは?
「想像の世界。自己免疫疾患が何で起こるかご存じ?それすら知らない人が…」
・専門の中で自己免疫は
「医学の常識として、突然自己免疫疾患が起こることはありません」
7番目の原告代理人はサイネン弁護士。
・祖父江班研究について
・多様な症状、全国調査、接種歴のない男女に一定数多様な症状、発生頻度について
MSD代理人一場弁護士「誤導ではないか」「祖父江班研究は「因果関係言及できない」「見かけ上接種群が多くバイアスがかかっている。ワクチンを打った人がこう言う症状が多くなるのは当然」「ポピュレーションベースのデータではない」「祖父江博士は〝因果関係はないとしか言えない〟」
・上がってますよね?
「意味がない、エビデンスではない」
・バイアスがあるかもしれないがデータ上は・・・
「あなた方の解釈であり、一般的な科学者はそう捉えない。大きな勘違い」
・祖父江班研究、何を見て書いた? 別の祖父江班の症例フォローアップ調査、これでは?
「多分参考にしたと思う」「コメントしにくい。ワクチン接種率を上げたいと思うが一介の大学教授が~引用は間違いかもしれない」「引用してはいけなかったかもしれない」
・祖父江班全国疫学調査、多様な症状の推定患者数
「確かにそうだが、このデータでの1か月内は28人くらいしかなかった。同じスタディからと誤解あった」
「多様な症状を副反応問題にしているのは日本だけ。HANSという病気でないものを一生懸命にやっても答えは出ない」
「このことを細かくツッコまれても、意味のないことを答えたくない」
・〝ミスターHPVワクチン〟と言われているが
「光栄だが言われていない」
・19人という誤った説明を繰り返している
「副反応疑いは、疑いであって副反応ではない」
「論文にしたこともないが、疫学的に正しいと言ったつもりないが」
・〝せいぜい19名〟は訂正されますか?誤りですよね?
「そうかもしれないが」
傍聴席の一部、原告支援者か笑い声が上がる。裁判所は注意しない。
製薬会社代理人の再主尋問
製薬会社代理人による再主尋問
GSK代理人の山田真吾弁護士
・日本の定期接種対象年齢が小6から高1に設定された理由は?
「原則的には性交渉していない年齢、それプラスHPV感染がどうやって起こるか。若い人の方が感染しやすいというエビデンス」
・初交前。HPV感染のピーク20代、理由
「若い人は子宮頸部の組織が未熟。組織が傷つきやすい、HPVは傷から入っていく」
・ピークでHPVワクチン打てば予防
「10年以上、それ以上子宮頸がん予防想定。世界中で90%以上、子宮頸がんが減っている」
「16型、18型、タチの悪い死に至らしめる率高い」
MSD代理人の弘中聡浩弁護士
・先生の意見、有効なもの 安全性 自己免疫疾患
「世界中のエビデンスが示している。当初、世界中で懸念、国際ヒトパピローマウイルス学会、世界中の専門家が、最も安全なワクチンというのが世界中の…」
・祖父江班調査。『19人』議論あったが、HPVウイルスと影響なしと見るか、因果関係があるかということについて
原告代理人から異議が入る。
笹川氏「HPVワクチンは不活化したただのタンパクです。こういったものが何年も存在しないし、何年も副反応ない」
「副反応だと思うなら病気を特定しないと、HANSは世界中から認められていない概念 議論すること自体がおかしい」
・サイキ氏ら研究。一部、有意差ないと示めされたが?
「一部切り取りだったが、全部見た。16.18ゼロに。明らかに全体で見ると有意差あるが、年齢ごとに調べないと意味ない。疫学研究者がフィッシャーズテストすると有意差でない」
・HPV検査の導入、受診率の向上であたかもHPVワクチン必要なくなる?
「そうは言っていません。HPVは16型18型に絶大な効果。なぜそれを検診で予防できないのかというと16型18型は早いガン化、細胞診で見つからない WHOはワクチンで予防、それ以外で検診」
・薬物療法やレーザー治療について
「円錐切除術が最も○○、くり抜く。病理学的診断で初期ガン見付かる。レーザーなど組織焼くのであとで診断できない。何年もガンが見付からない」
・アンマスキング、タイプ・リプレスメントは医学界で支持されている見解?
「認めるようにはなってない。サイキ論文51~64型非接種群で伸びている。だが、10年前の同じ世代の人と変化なかった。タイプリプレスメントではなかった。HPVワクチンの目的は最もタチの悪い16型18型を予防すること」
・論文に〝ワクチンの意味ないと後ろの方と書いていない〟
「一番最後を読めばわかる。予防とHPVワクチンを優先すべきと書いてある。HPVワクチンの有用性を否定するものではない。HPVワクチンは利益の方が想定される害悪より大きい。
裁判官からの質問はなかった。
閉廷後の記者会見
閉廷後、傍聴人が退席し進行協議が行われ、17時から製薬会社2社と原告代理人が司法記者クラブ内で会見した。
会見では、この日の証人尋問の評価について製薬会社代理人と原告代理人の見解が真っ向から対立していることが浮き彫りとなった。