政権の意向を受けた統一教会2世信者組織との攻防
翌2016年には選挙年齢が18歳に引き下げられ、7月に参院選が行われた。若者たちの選挙への参加や投票行動が注目されていた時期、安倍政権を支持し保守派の大学生が自主的に結成した「国際勝共連合大学生遊説隊UNITE(ユナイト)」と称する団体が年明けから全国各地で街宣を始めた。
連動するように最初の大規模なデモのあと、自民党の平井卓也衆議院議員がSNSに「学生はシールズというイメージは間違いです」と投稿。ユナイトの結成と活動には安倍政権の意向が働いてるのでは?
疑念を持った私はユナイトの活動を追った。私が取材現場で目の当たりにしたものとは?
※この記事は、鈴木エイト著『統一教会との格闘、22年』(角川新書)より内容を一部抜粋しています。
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商業誌で単独の署名記事
各地でのユナイトの街宣活動やデモの取材を重ね、ユナイトが統一教会の2世信者組織であることなどを掴んだ一連の取材の成果を週刊朝日に「街頭デモで安倍政権を応援 旧統一教会系の国際勝共連合が支援する大学生集団『UNITE』の正体」として寄稿した。まだ当時は週刊誌における記事の書き方のイロハが解っておらず、デスクの森下香枝氏に何度も手直しされた。だがこの記事は、それなりの反応はあったものの他のメディアが後追い記事を書くといった大きな展開にはならなかった。まだ、世間は統一教会と安倍政権の関係性を重大なものとして捉えていなかったのだ。
一方で、ユナイトの背景を暴いた記事に勝共連合上層部は激昂、直撃取材を避けるための対策を講じた。