「当時の報道をした人が何の責任も取っていない」HPVワクチン訴訟記者会見

鈴木エイトが継続取材を続けるHPVワクチン訴訟の口頭弁論と閉廷後の会見。2025年5月19日に名古屋地裁で開かれた被告製薬会社側申請の専門家証人への主訊問後の会見で、当時の報道とその回収というメディアの問題について質問した。
鈴木エイト 2025.06.29
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※7月13日夜、医療記者の第一人者である岩永直子さんとオンライン対談を行います。500人限定です。

傍聴&会見レポート

 2025年5月19日、名古屋地裁前では支援者への説明と入廷行動が行われた。

 この日の傍聴券交付は64枚、29人が並んだのみ。この日も抽選にはならず全員が傍聴することができた。

 被告製薬会社側申請の専門家証人、奥村彰久医師への主訊問。奥村医師は小児神経疾患の専門家。

 主訊問を担当するのはGSK代理人の秋田康博弁護士。

 尋問の詳細は産婦人科専門医・医学博士のたぬきち氏がnote.でレポートしているので参照してほしい。

 最後の質問に対する奥村医師の発言を掲載する。

「裁判の影響で積極的勧奨が止まり、その後HPVワクチンは勧奨になったが長い間打てなかったために子宮頸がんの発症が…。一刻も早く回復してHPVワクチンが届くことを祈っている」

閉廷後の記者会見

閉廷後の代理人の会見はGSK、原告団、MSDの順で行われた。

GSK会見

池田裕彦弁護士

「お時間いただきまして、ありがとうございます。本日の子宮頸がん予防ワクチンの訴訟で、私どもは被告会社GSK訴訟代理人をしております弁護士の山田、池田、秋田、小森でございます。本日は被告側の専門家証人としまして愛知医科大学の奥村先生にご証言をいただきました。奥村先生は小児神経の専門家でいらっしゃいまして、脳炎脳症とか抗体とか自己抗体とか、そういったことの専門家でありまして、詳しくご証言いただきました。本日はその奥村先生のご証言を踏まえましてGSKとしての会見をさせていただきます。まずは秋田弁護士の方から本日の奥村先生のご証言の要点をご説明した上で、ご質問あればお受けしたいと思います」

秋田康博弁護士

「では皆さんよろしくお願いします。お配りしました資料の説明からまずさせていただきます。こちらの方の証言に特化したものではなくて我々被告、GSKが主張している総論というもの、つまりワクチンと原告の症状全般の因果関係、関連性に関する総論的な主張をまとめた書面ということになります。目次をご覧いただければわかるんですけれども、今日のトピックとは関係はないけれども、重要な事項ですね、サーバリックスの有効性が前半に書いてありまして、後半は安全性ということで、原告の症状が心因性の反応で起こることが記載されている。その後に原告らの主張に対する反論としてHANS説の誤りというところですけれども、35頁以下で原告に対する反論が記載されています」

「本日のご証言ですけれども、お聴きいただいた方はおわかりかと思いますが、原告側の証人の高橋幸利という静岡てんかんセンターの先生ですけれども、高橋幸利医師が原告側の証人として証言していたわけですけれども、それに対する反論ということを中心に、今日、ご証言いただいたということになります。前提として、高橋先生の立論というか、主張内容のご説明をさせていただければと思います。高橋医師の説明としましては、HANS、HPVワクチン接種後に中枢神経症状を生じたという患者さんたち、今回の原告なんですけれども、そういった患者さんの中に高橋先生がやっているELISAという検査で行う抗体が出たと。自己抗体という、自分の身体に反応してしまう抗体が出たということを根拠などとして、原告を含むHANSの患者さんたちというのは自己免疫性の中枢神経症状が生じているんだといった主張をされています。つまり、理屈としては、そのELISAで検出される高橋先生の抗体、今日、奥村先生は高橋抗体というお話をいただきましたが、高橋抗体という病原性がまず高橋先生があると当然おっしゃって説明していますし、原告を含むHANSの患者から共通して出ているという説明をしています。その立論の仕組みなんですけれども、このHANSの患者さんと対象群といって比較する健康な群を比較すると、HANSの患者さんの方が、その高橋抗体という抗体が高く出たと、抗体がたくさん出ましたということは、まず一つ目の論点として主張されています。2つ目が、その高橋抗体を模した抗体。今日はウサギ抗体という話をされましたけれども、ウサギ抗体という細胞、細胞を使った実験で確認したというのがもう一つ目の根拠になっています。3つ目の根拠が、この同じウサギ抗体をマウスに打ち込んだら、同じような症状が出たと。これ動物実験したというこの三つの大きな根拠をもって、高橋医師はこのHANSの患者さんたちというのは高橋抗体による中枢神経障害なんだという話をしています。本日の奥村先生のご証言は、これに対してて、それぞれいずれも意義がない、これだけのこの研究では何も言えないということをご証言いただいたと。簡単に言うとそういう形になります。まず、一点目の患者さんと対照群を比較して、高橋抗体がたくさん出たよという話なんですけれども、このポイントとしては、その比較の対象は2群、その二つの対象だけだと何も言えないねということを今日はご証言いただいたということになります。先生がおっしゃっていましたのは、高橋医師の証言の立論からすると、ワクチンによって高橋抗体が出た、高橋抗体によって症状が出た、この二つの因果関係を立証しないといけない。そのためにはワクチンの接種の有無、それから症状のありなしの4グループをきちんと比較して、接種があり且つ症状がある群だけ優位に出る、確かに抗体値が高かったねということを確認しないと科学的には何も言えないんだと。こういったことを指摘した上で、高橋医師の高橋抗体についてはそういった比較は何もされてないということを証言いただいたということになります。あと時間的な関連性という話も少ししていましたが、抗体というのは人それぞれ抗体価に違いがあると。まあ身長みたいなものですけれども、抗体価それぞれ、人によって全然差があるということなので、時間的に何か変化を見るという際には、同じ人で抗体価が、ある時点と別の時点でどういうふうに変わったか、それと症状との関連性を見ないといけないと。高橋医師の研究では、そういったことは全くされていないということで、やはりそれでも抗体価の変化というのは捉まえられないよということで、高橋先生の一つ目の根拠である患者さんたちの分からたくさん抗体が出ましたよということに関しては、根拠とは言えない、こういったご説明をいただきました。2点目のウサギ抗体を使って細胞の作用、細胞に対する作用を見たと、この点ですけれども、これはそもそもその使ってる抗体がウサギ抗体という名前からわかりますように、まあ兎で作った抗体ということになります。人の抗体とは全く違うものです。これに関する根拠という理由ですね。ウサギ抗体がなぜ人の抗体とは患者さんの抗体とは違うのかということをタンパク質の構造であったり、抗体が作用する機序であったり、こういったところを踏まえてご説明をいただいたことになります。作用の検証の方法についてですけれども、ウサギ抗体を細胞にかけた、反応をさせたところ、MMDA受容体という抗体がターゲットとしているものっていうのが細胞の中に取り込まれたんだと。こういった主張を高橋医師はしてるわけですけれども。奥村先生のご証言によりますと、もともとMMDAの受容体という抗体がターゲットにしていると思われるものというのは、細胞の中にも当然正常の活動としてあるということで、高橋医師が見ていたその細胞の中にMMDA受容体があるよと、このあるということを見たわけですけれども、その細胞の中にあるMMDA受容体というのは、ウサギ抗体の作用によって中に入ったのか、正常な作用として入ったのか、あるいは非特異的な反応とおっしゃってましたけれども、実験で起こる全く検証すべき対象とは別の事情による作用なのか、そういった点は全く排除できないということで、ウサギ抗体を使ってるって意味でも、実験結果がという意味でも、何もその研究では言えないということで、2つ目の論拠も否定されたということになります。3つ目の論拠、動物実験の関係でも、やっぱりウサギ抗体を使っているということで、人の抗体とは異なると、人の抗体の作用を何か検証するには及ばないということ。それから、動物で同じような患者さんと同じような症状が出ていれば、確かにその抗体が原因かもしれないということが推察されるわけですけれども、高橋医師が行った動物実験では全くそこが検証できないということで、やっぱりその動物実験でも何も言えないというふうにおっしゃっていただきました。最後に簡単にスペクト脳血流SPECTという脳の血流を見る検査、あるいは脳波検査、それから頭部のMRIですね、MRIの検査。これらの根拠にしてHPV接種後の患者さんに自己免疫性脳炎脳症が生じているんだというようなご主張をされている専門家の方もいらっしゃるわけですけれども、それらの論拠についても、この画像からはそういった評価できないと、或いはこの脳波からそういったことは言えないということで、すべて反論するというか科学的な、医学的な一般的な知見から、原告らの因って立つ医師らの主張についてすべて反駁してただいたとそういったご証言だったということになります。私の方から簡単にですけれども、今日の奥村先生のご証言内容をご説明させていただきました」

池田弁護士「ご質問がありました。お受けしたいと思います」

朝日新聞の記者

――すみません、あの、素人質問として大変恐縮なんですけれども、HANSの患者さんという言葉を使っていたと思いますが、HANSの患者さんの意味するところは? ちょっと4月に来たばかりで

秋田弁護士「HANSの略称が何かというと…」

小森弁護士「今回の原告さんたちは結局ワクチンによって自己免疫性の中枢にですね、まあ脳炎とか脳症とか、そういうのが起こっていますというのは主張しておられまして、それを彼らはハンスとH、A、N、Sなんですけれども、HANSのHはHPVワクチン、子宮頸がんワクチンの関連する免疫症候群なんだというようなことで、これ、そういう言葉が医学的にですね何かHANSっていう病気があるんだってことが何か確立しているわけではなくて、彼らがそういう名前を名付けて作ってですね、そういうのが起こっているんだっていうのを提唱しているというようなところですけど。で、実際には、これ、たくさんの研究がされている中でそういった彼らが言うところのHANSというものを示す科学的な根拠はなくて、むしろこの書面にも書かせていただいてるんですけれども、今日も奥村先生がおっしゃってましたけれども、実際には心因、心の問題、そういったものを、いわゆるストレス等によって、非常に重い症状がたくさん出てくるんだとというような、それはもう昔からありますよと、今日ご証言された奥村先生も実際に患者さんをご覧になったことあるんですけれども、そういうようなところにはなると思います」

鈴木エイト

――高橋幸利医師はHANSという言葉は使っているんですか?

小森弁護士「そういう意味では高橋医師自身が使っているわけではないですけれども、ただ言っておらえることはHANSと言っておられる方とまあ基本的には一緒だと理解しています」

――白石医師の意見書に「全く同意します」と答えておられました。白石医師の意見書は製薬会社側から出している意見書だと?

小森弁護士「はい」

――高橋幸利医師の専門は何になるんですか?

小森弁護士「小児、それからまあ、一応その自己抗体というのを研究されているということからすると、小児免疫というふうには、おっしゃっているんですけれども、ただ、先ほど秋田も申し上げましたけれども、普通であればですね、抗体によって何か病気が起きているんだとすると、例えば僕から言うとHPVワクチンの接種を受けた人と、そういう何もしてない人、ちゃんと比較するとかいう、まあ最低限のところの研究もあまりされていないので、どこまでの本当にご専門というかですね。やっぱり世界的にしっかりしたそういう免疫の専門とされている方は本当に精緻な研究っていうのを何個も何個も重ねてこれだというふうにされてますので、ちょっと正直、なんで、我々も高橋先生、直接存じ上げているわけではありませんので、あれですけども、どこまでのご専門なのかなっていうのはあるのかもしれなません」

――奥村先生もおっしゃっていたちゃんと論文が出てない、学会報告レベルという話は?

秋田弁護士「それは結構証言の通りですけれども、一般的に査読を経ているかどうかというのはかなり大きい違いでして、論文というのは査読といって、第三者が客観的にみて研究の手法であった内容だったりっていうのを精査して、論文として詳細を発表すると。そうすることによって追随した研究による検証が可能になるというのが一番大きな違いで、学会発表というのは本当に結論とか目的とかがすごく簡単に書いてあるだけでして、今回の高橋医師の動物発表と言いますとA4で半分以下ぐらいの文量でして、詳細は全く何も書いてないに等しい、検査結果がよくわからないことになってしまうんですね。そうしますと、追随した研究によって同じ結果が出るかどうかっていうのも検証しようがありませんので、この研究を基に、確かにこのエビデンスが積み重ねられているねということは言えないというふうな評価をできるのかなと思っています」

――高橋医師はこういう分野に関しての論文は出されてないのですか

池田弁護士「こういう分野というのは?」

――自己抗体に関して

小森弁護士「今日、高橋論文2016という話をしましたけれども、あれはこのHPVワクチンの接種者について、彼らの言っている抗体が上がっていくんじゃないかというものですが、論文では高橋先生ご自身がHPVワクチンとの関連性は因果関係は証明されないと書いてあるんですね。それがあるからこそ、おそらくそういうこれ証明されてませんよってなるからこそ、論文に成り得たんだろうと思うんですけれども。それを一方で『いや学会でこの発表したから』っていうのは全くエビデンスにならない」

池田弁護士「さっき秋田も言いましたけど、彼らの仮説はワクチンによって自己抗体ができる、その自己抗体が原告の症状を発症させている、この二段階の因果関係を証明しないと原告側の仮説は成り立たないわけですけれども、高橋先生の論文はその因果関係を証明するには…、先ほどちょっとありましたけど、ワクチンを接種している人と接してない人、それから他方で症状ある人、症状ない人。この4マスで比較研究をしないといけないんですね。接種している人の中でも症状ある人ない人がありますし、その症状がある人の中でもワクチン接種してる人、接種してない人がいる。じゃ例えば、症状がある人でワクチンを接種してない人としている人との間で、その間に、その症状の出方に有為の差があれば、あるいは抗体がより大きく出ていれば。そしたらこれはワクチンがその抗体を発生させているってことになりますけど。そんな比較がないんですね。それからワクチンを接種した人の中で、症状がある人とない人の間で、ある人にすごいその抗体が出ていて、ない人に抗体が少なかったらそれは抗体が症状を発症してるってことになるんですけど、どちらの比較もないので、それでは因果関係を説明できてないですよねっていうのは小学生でも分かる議論だと思うんですね。それが、高橋教授はできていない」

――症状がない人から検体できないのが現状という話もあったが、それは他の方法でクリアできると?

秋田弁護士「例えばですけど、症状が仮に良くなった患者さんが中にいらっしゃるわけですけれども、そういった人の髄液検査を、できるだけその症状が良くなった、寛解したいうよりは、改善しているようなところのポイントで継続的に変化を見ると、じゃ抗体がどう変わってるのかと、症状が良くなってるけれども、抗体価が上がっていたとすると、やっぱり抗体価は関係ないよねって話になりますし。そういった研究というのは、あるいは検証というのは、高橋先生のところであれば可能であったのではないかというふうには考えています」

――第1クールで尋問できなかった原告が8月1日に入るかもっていうのは7月22日にならないと判らないと?

池田弁護士「はい。7月15日までに我々が意見を述べることになっていて、それを遡ること一週間前、7月8日までに原告らの方で何か意見を出すと。そのためには直近の原告1番の受診状況ですね、それを知る必要があるので、どんな病院に行ってるのかとか行ってないのかとか、どういう症状が出てるのか、最新の情報がないとわかりませんので、だから最近受診した医療機関のリストを出せと、『出す』と言ったんですが、まだでていないので早く出せと言っているわけです

――第1クールで尋問できなかったのは、直前に体調が悪いとかいう理由だったんですか?

秋田弁護士「いや、『直前にも』っと言ったら正確かもしれないですけど。彼らの主張、原告側の説明だと従前からずっと症状が悪くてですね、出て来れないかもしれませんというふうには聞いていた方が、まさにやっぱり直前になっても出れませんということで、来なかったという形になります」

――すでに今開示されているカルテから見て、ワクチンを打つ前から何らかの既往症が既にあった原告という理解でいいですかか?

秋田弁護士「接種前の症状をちょっとつぶさに記憶はしてないので、はっきりしたことは申し上げられませんが、カルテを見ますと、例えばどこかに旅行に行くとか、そういったことはできている様子もあったりとかですね。果たして症状の程度が尋問に耐えられなかったのかどうかっていうのは慎重に考える必要があるなと思っています。そのために我々、次の8月1日に行う原告についても、医療機関から医療記録を取り寄せてですね、実際、本当に尋問ができないほどなのかっていうのを検討したいというふうに思っています」

――現状、2人いるわけですか?

秋田弁護士「8月1日に予定されるかもしれないのは2人いまして、うち一人がGSKに関係する原告。もう一人はMSDに関する原告です」

――第1クールで尋問できなかった原告は名古屋で…

秋田弁護士「名古屋で2名です」

――GSK、MSD一人ずつで、東京でそれぞれ…

秋田弁護士「東京は我々GSK、だけで、一人だけです」

池田弁護士「54番さん」

――第一クールで尋問できていないのは四地裁で計3人?

秋田弁護士「3人です。いずれも製薬会社側から申請した、希望した原告本人ということになります」

池田弁護士「原告全員の尋問をしろと最初言ったんですよ、原告は。全員の尋問をしろと」

――原告側が?

池田弁護士「それはスケジュール的にできないからっていうことで、半分は原告側がセレクトする、半分は被告側がセレクトするということになったんです。で、いざフタをあけてみると。こちら側がセレクトした原告については『いや、ちょっと出れない』『出れない』ということになっているというのが実情です」

――3人以外にもいたんですか?

山田弁護士「もっと厳密に言うと、名古屋の1番最初の2番さんっていらっしゃるんですけど、この方ご本人が出てこれないので、お母さんが証言されたんですよね」

――当初、原告本人の予定が、本人が出てこれないから母親になったと?

山田弁護士「これは原告側が選んだ当事者なんですけど。ご本人じゃなくてお母さんをっていうことで

なんですよね」

――その理由は?

山田弁護士「体調不良だということで、尋問に耐えられないということで」

池田弁護士「我々からすると、やっぱりその実際にどうなのかっていうことは、お母さんじゃなくて本人から訊きたいんですね。で、もちろんそのお母さんからしたら、『私は娘の症状わかってます』ということかもしれませんけれども、我々は今回の原告さんの症状というのは心理社会的要因によるいろんないわゆる機能性の身体障害という考えてますから、やっぱりそのご本人が置かれている状況、それは家庭内の状況もありますし、学校での状況もあって、必ずしもお母さんが知って全部知ってるわけじゃないんですよね。で、あるいは家庭内の状況が原因になっているような場合には、お母さんは余計そういうことを語る資格はないはずなので原告本人尋問をする必要があるって言ってたんですけど、頑なに母親が出るということで、裁判所もそれを認めたという」

山田弁護士「原告2番さんもちょっと秋田も言いましたけど、ディズニーランドには行ってたりとか、一人でライブに行ってたりとか、それも遠方にですね。そういうようなこともカルテには残ってるんですよ。だから我々からすると、う~ん、その辺りは何でなんでしょう? というのはお母さんには質問させていただきましたけれども」

池田弁護士「我々側の専門家この間、あの東京で訊問させていただいた住谷先生、東京大学の疼痛の専門の先生によると、やっぱりそれはまさに心因性の要因によるっていうものの典型例で、行為の目的によってできたりできなかったりする。自分の楽しいことだったらできるけれども、裁判所に行くとか、学校に行くとか、そういうことになると突然歩けなくなるから、これはもう機能性の身体障害の特徴的な状況だというふうに見ています」

秋田弁護士「もう一点、今の時点で出てこれなかった原告3人ということなんですけれども、今年の10月から12月にかけて四地裁で原告本人尋問が予定されていますが、そのうちの何名かも予め原告代理人の方から来れないかもしれないっていうふうに情報が来てますので、場合によってはそういった方も来れなくなる可能性もあるかなと思います。いずれにしても来れないかもっていうふうに説明いただいているのは、我々製薬会社が指名した、セレクトした原告に限られていることは先ほどの説明と変わりありません」

――そのための予備日は?

秋田弁護士「ないです」

――ではその期日を逃すともうないと?

秋田弁護士「おそらくそういうことになると思います」

原告代理人会見

会見を行う原告代理人

会見を行う原告代理人

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