精神疾患と診断された原告のスクリーニングについて「精神疾患だというカルテが出てきたからといって我々は(原告から)排除することはしていない」HPVワクチン“薬害”訴訟会見レポート

公開法廷では最後の原告本人尋問となった2025年12月の大阪地裁での傍聴&会見レポート。会見での質疑応答では、精神疾患が疑われる原告のスクリーニングやフィルタリングについて原告団代表に問うた。
鈴木エイト 2026.11.05
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2025年12月11日、大阪地方裁判所。この日は公開法廷での最後の本人尋問が行われるとあって、多くの原告支援者が傍聴抽選に訪れた。

2人の原告本人尋問

原告本人尋問(主尋問と反対尋問等)を受けたのはGSKのサーバリックスを接種した原告14番と12番の女性。

関西在住の14番の女性への尋問では、HPVワクチンによる副反応であると診断した鹿児島大学病院で免疫吸着療法などの治療を受けるために、通っていた看護学校を退学することになった経緯が明らかとなった。その以前に通っていた内科医院の医師は、鹿児島大学で長期間の治療を行うことは看護学校の休学期間から看護師になる夢をあきらめることになると母親に説明していたが原告本人には伝わっていなかったのだ。

GSK代理人は反対尋問で、原告には心理社会的因子として「高校2年の時に高両親が離婚」「ギャンブルによって父親が会社のお金を使い込んだこと」「父方の祖母が母親を責めたこと」「姉の借金癖と精神科への通院」などを指摘、サーバリクス接種の4年後に痙攣発作等を発症しうつ病、転換性障害、ヒステリーなどと診断されていた。だが原告の母親は心因性ではなくHPVワクチンの副反応と思い、鹿児島大学病院の受診を希望したという流れだ。

当の鹿児島大学病院のカルテには「関西で母に知られずに、精神科や心療内科を受診したい」と記載されていたことも指摘された。

原告12番の女性への尋問。主尋問では、中学2年から3年にサーバリックスを接種し、体調不良が起こったのは高校2年と発言。中学3年の冬に文章が読めなくなり成績が下がったという。主訴として記憶障害を挙げ、母親を認識できずに「ひろちゃん」と呼んでいるエピソードも。意識消失もあるという。

反対尋問では、心理社会的因子として「両親の離婚」「父の再婚」「離婚直前に父の再婚相手が出産」そして「勉強に厳しい祖父母」との口論なども指摘されていた。

パニック発作や精神的不安定などにも言及があり、記憶消失の一方で一人暮らしができていること、そして「推し活」やそのイベントには通っていることなどの矛盾も指摘された。   

主尋問ではワクチン接種後に学校の成績が低下したとの主張があったものの、実際には低下していないことなどについて反対尋問で聞かれていた。

また、現在の主治医以外のすべての医師から心因性と診断されていたことも明かされた。

傍聴でのやり取り、そして尋問後の担当弁護士との会話などを聴く限りではあるが、承認欲求があり、原告代理人や支援者から「良く頑張ったね」と褒めてもらえることにアイデンティティを感じているように見えた。

閉廷後の原告側の会見では本人尋問を行った原告2人も参加していた。原告弁護団の全国共同代表も登壇していたため、原告のスクリーニングやフィルタリングについて尋ねた。

原告代理人の会見

山西美明弁護士(全国弁護団共同代表)「原告弁護団の弁護士の山西の方から説明させてもらいます。まずカメラ、撮影なんですけども、この私の横に座っておられる原告14番さんと原告12番さんに関しては一切、撮影、写真なしでお願いいたします。それから本人を特定できる情報も出しませんので、私の今日の資料の中で書いてある限度でということでよろしくお願いいたします。声は基本的に感想を言ってもらいますので、声はオッケーということで行きたいと思いますので、よろしくご協力お願いいたします。

それでは本日、最後の各4地裁、東京、名古屋、大阪、福岡の4地裁で、このHPVワクチン薬害訴訟は行われているんですけども、それの最後の証拠調べが今日、大阪地裁で2名の原告本人尋問で終えました。原告14番さん、原告 12番さんについては、お手元の資料でそれぞれのプロフィールが載ってる分があるかと思いますので、それで内容を確認してください。

その上でまず、今日、本人尋問に臨んだお2人の方に今ここで、会見の中で皆さんに伝えたいこと等について、一言、感想を言ってもらいますので、よろしくお願いいたします。それでは、最初にやった14番さんの方から」

原告14番「はい。あの、今回の裁判にあたって、あとちょっと実はお仕事をしながらの今回のこの準備だったので、すごく大変な日が続いたのですが、こうやって裁判官の前で、しっかり自分の思いを伝えられたのかなと思います。私は最後のお話にあった通り、私は鹿児島までずっと高い交通費を払いながら鹿児島まで通っておりました。なので、高い交通費を払わずとも、各地域で医療体制をしっかり作って、それで皆さんが大きな負担をすることなく、平等に治療を受けれるような環境をしっかり作ってもらえたらなと私は思っております。以上です」

山西弁護士「次、12番さん。また今日の感想、言いたいことをお願いいたします」

本人尋問を行った原告2名と原告代理人の会見

本人尋問を行った原告2名と原告代理人の会見

原告12番「……裁判官の人や傍聴席にいる人に今の自分の現状や気持ちを伝えられたことがすごくありがたくて、今後も(HPV)ワクチン接種するときに、こういう副反応があるんだということを知ってもらえる大きなひとつの機会になったのかなと感じました。で、やっぱり医療機関、すごく限られていて、今は先生がいるから安心はできるけど、これから先、ずっといるわけではないし、必ずこう変わる時期がやってくるときにどういうふうに受け容れてもらえるのだろうとか、そういう不安がたくさんあるので、しっかりひとりでも多くの人に伝わってほしい、わかってもらいたいなと思いました。以上です」

山西弁護士「ありがとうございます。一言ずつ、担当弁護士の方(ほう)から補足だけ。14番さん担当の西川弁護士の方からまずお願いします」

西川満喜弁護士「今日お聴きいただいたように14番さんは、今回尋問で出てきた以上にたくさんカルテにしたら10センチぐらいの厚みのものがもう何十冊以上あるぐらい大変長い治療期間を経ておられて。出てきましたように3年半、免疫吸着療法を経て18クールの免疫吸着療法を経て、歩けなかった状態から何とかご自身の非常に強い意志もあり、治療の効果もあって、今こうやって杖をついて歩けるような状態にまで回復をされました。

ここまでの道のりというのは、もう想像を絶するような、治療と彼女の努力と意志のおかげだったと思います。この彼女の今日の尋問と治療効果がしっかり届いたと思いますので、裁判官にも届いたんじゃないかなというふうに思っています」

原告代理人の会見

原告代理人の会見

山西弁護士「じゃあ、 12番さん担当の矢吹弁護士の方からお願いします」

矢吹遼子弁護士「矢吹です。12番さんは今日、尋問でもフォーカスさせていただいた通り、重い記憶障害があると。家族、お母さん、お父さん、弟さん、それから友だちも判らないという生活を十年ぐらい続けておられます。で、それ以外にも今日いろんなエピソードを話してもらいましたけれども、やっぱり記憶障害がある、○○障害があるということで、日常生活ですごく苦労されていると思うんですけれども、本人はもうそれに慣れてしまっているので、あんまり不便を感じないと言うんですが、もう聴いてると本当に大変そうだと思う。そこがうまく伝わっていたんじゃないかなというふうに思います。で、フォーカスしたのは記憶障害ではあるんですけれども、今日、少し疼痛ですとか倦怠感とか意識障害、意識消失ですね。激しい視野狭窄とかほかにもお話いただいてましたけれども、ものすごくカルテが多くて、重い症状をもうずっとこの10年以上、戦ってこられています。

で、今日、臨むにあたって何度も打ち合わせをしてるんですけれども、その打ち合わせもやっぱり体調不良でキャンセルというようなことも何回もありました。その中で何とかご自分の被害を伝えたいということで、一生懸命、今日まで頑張ってくれて、今日、本当に被害をきちんと伝える素晴らしい尋問になったんじゃないかなというふうに思っています。本当にありがとうございます。お疲れ様です」

山西弁護士「ご質問ございましたら、特に原告さんたちへの質問とかありましたらお願いいたします」

質疑応答

幹事社

――幹事社ですが、先にちょっと今後の予定を伺いたいのですが

山西弁護士「はい、わかりました。今後の予定については、この原告らのプロフィール以外のところで、まず今後の大きな予定としては結審の期日がございます。それから判決ということになってきます。結審期日については、再来年(2027年)の 1月、 2月、ここはまだ決まっておりません。再来年の 1月、 2月頃に結審をされる見込みであると予定であるということで我々の方は捉えております(2月に仮期日)。そして判決が再来年の4月頃に各4地裁でなされるというような、そこはまだ決まらず、今後追って指定ということで進んで参ります(4月と5月に仮期日)。

で、この結審に先立ち、我々原告もそうですけども、被告らの方も最終準備書面を出すことになります。しかし、結審が2月で4月判決で 2月に最終準備書面出してたんのではとても裁判官に我々の主張は伝わらないということで、来年(2026年)の1月末に最終準備書面の概要書のようなものを何本か我々準備書面を出して、さらには2月末にも個別のそれぞれの原告に関する概要版を出して、裁判官にじっくりそれを検討してもらった上で、結審・判決に臨みたいというふうに思っております。

予定はそういうことでなんですけども、記者の皆さんには、この間、これから先、1年半ぐらい判決まで空きますので、できればその期間を利用して、我々の方で参加できる原告には参加していただいて、記者の皆さんに、この裁判の全体像、それから我々が主張したいことというのを伝えさして質問を受けるという形の勉強会を開催させてほしいと思っておりますので、ぜひ、ちゃんと書面が出されてからのほうがいいかと思うので、書面が出された段階で皆さんにレクをしたいと思いますので、そういう勉強会を設けさせてもらえればと思ってますので、また今後その日程の調整とかよろしくお願いいたします。

特に今回、私が今ここで伝えたいのは、このHPVワクチンは今、定期接種でずっと積極的勧奨されながら進んでおります。一方、テレビのコマーシャル等で判るように、男子へも定期接種というテレビコマーシャルが CMがどんどん流れております。で、そのCMの中には今日お聴きしていただいたような14番さん、12番さんが抱えている重大な副反応に関して、ほとんど何も触れられておりません。これでいいのか、本当にこれでワクチン政策としていいのかということを私たち、きちんと問い詰めて結論を出したいというふうに思ってますので、よろしくお願いします。

今日、別紙で出させてもらったカラーで出てるやつなんですけども、これは積極的勧奨が再開された以降、どれぐらい(HPV)ワクチンが接種されたかというのと、そのワクチンの接種に伴って重篤な副反応疑いというのがどれぐらい出てるのかっていう図と、さらには今、国が各都道府県に協力医療機関、十分機能していないというのが我々の分析なんですけども、その協力医療機関への受診者の数っていうのが、この3つのグラフで示しております。もう見てもらったら判るように、ワクチン接種が増えれば、少し遅れて重篤な副反応疑いが出て、少し遅れて協力医療局への受診が増えているというのが、見事に相関関係を作っているかと思います。

これ今現在の話ですので。この積極的勧奨なされてから、今年(2025年)の7月ぐらいまでのデータですけども、新規の協力医療機関に新規受診した患者は662人おります。しかもその次にどういう障害が副反応が出ているのかということについて、重篤な、特に重篤な副反応が続きまして ③、④、⑤で書いてますように、今現在、主に打たれているシルガード9、それから、従来打たれていたガーダシル、サーバリックスについての厚労省が報告している副反応、重篤な副反応報告の比率とかデータで付けております。で一枚、麻疹ワクチンの、これも定期接種の対象になっているワクチンなんですけども、副反応の疑いが出ているものについても資料を付けております。もう全然、重篤な副反応が出る割合がHPVワクチンと他の定期接種のワクチンとは、もう何倍、倍で言ったら10倍以上の差があるということをご理解していただければと思います。

それから7枚目の資料は、この健康被害制度によって、ワクチンによる健康被害制度によって、どの程度の方がいわゆる身体障害の認定を受けておられるかということの比率です。HPVワクチンと他のワクチンと比較すると14倍、障害認定を受けている割合が高いというのが厚労省が報告するデータで明らかになっております。

で、厚労省が副反応部会で報告して身体障害の認定したひとつのケースとして、⑧って書いてあるところで接種時が15歳の女性でHPV ワクチンで障害年金が認められて、どんな症状かというのは、めまい、上下肢筋力低下、感覚障害、記憶力低下、学習障害、視力障害、認知障害という、こういう症状を認められて認定化されているということもご理解していただきたいと思います。これが今この時点でも、こういう副反応が多くの人に出てるっていうことをご理解いただければというふうに思っております」

鈴木エイト

――いいですか?

山西弁護士「どうぞ」

――さっきの記者レクの話ですけど、それは記者クラブに限った話なのか、フリーランスも参加可能なのか、どういう告知の仕方なのか?

山西弁護士「それ、こっちで検討します。必要があればフリーランスの方々にも連絡するということ。少なくとも私が認識している限りの方には連絡するかどうかということも含めて弁護団で検討したいと思います」

――私が参加したいと言ったらそれは入れてもらえるのですか?

山西弁護士「それも含めて検討させてもらいます。はい」

会年を行う原告代理人

会年を行う原告代理人

――あと、今日に限るわけじゃないですが。もし原告さんであったり、この裁判に原告で参加したいっていう人が、たまたまワクチンを打ったあと、その前後含めて、もし何かしらの精神疾患であったり、そう疑われる人が参加したいと言って、もし来たりした場合、そのスクリーニングはどういうふうにされているのか聞かせてください

***

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続きは、23512文字あります。
  • GSK代理人の会見
  • MSD代理人の会見
  • 傍聴&会見に一区切り、2027年4月の判決言い渡しと新刊発刊に向けて

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